2018.09.24 03:06スノードーム アレックス・シアラー著 石田文子訳もう一度出会いたい一作。英ガーディアン賞ノミネート作ある日、若い科学研究者クリストファーが姿を消した。「光の減速器」の研究を進める変わった学者だった。彼の残したレポートには、不思議な物語が描かれていた。それは、空想か、それとも結末が近づくにつれて、ページをめくる手が止まらなくなっ...
2018.09.24 02:56ブレーキ 山田悠介著小五の時に、初めて手に取ったこの手の本。二小説ほどその場で読んで、怖くて本を落とした今ではもう、あの感覚は味わえないが、這いずってくるものが確かにあった。正直、山田悠介はこれとあと一冊くらいしか読んでいない。たった数年で、私は、これをコナンでも見るように、パラパラと読めるようにな...
2018.09.24 02:45銃 中村文則著雨が降りしきる河原で、西川が出会った、男。その傍らに落ちていた黒い物体。「銃」の持つその圧倒的存在感と美しさに魅せられて、彼は次第に「狂って」いく。「孤独は向かってくるのではない、帰ってくるのだ」と綾野剛が言い放ったことに、感銘を受ける。2018年10月に映画化が決まった。新潮新...
2018.09.24 02:35土の中の子供 中村文則著芥川賞受賞作「僕は、土の中から生まれたんですよ。」被虐行為の連続に、生との健全な距離感を失った「私」は、人間の生業と希望に、根底から向き合う。冷めた温度と冷静な狂気に飲まれていく。冷たいながらも生く、不思議な安堵感のある作品。
2018.09.09 23:20ナチュラルウーマン どえらい作品だなと思います。LGBTではあるのですが、下手な感動も、これが言いたいんだって決まり文句もなく、ただただ、横たわるだけの、ただそれだけで、一本の映画になる、かなり力強い作品です。私は、これ、辛くて、重くて、冒頭から、『うっ』ってなりました。心が痛い。『愛と...